[43] 演奏会を目前に控えて 2005/05/21 16:38:47 

演奏会まで1週間。
やばいよなあ、仕上がりが悪いよ、絶対に。プログラム的にはそんな大きな曲も含まれていないんだけど、練習の組み立てがまずかったのかも知れない。いつも以上に細部にこだわって全体が形作れない。今夜を含めて残り4回の練習でどこまで出来るか・・・。
それは本番でのお楽しみ! なんて言ってる場合じゃない。

ホールが主催する演奏会なんてのはもちろん初めての経験で、それそれは本当にありがたいお話であります。会場の使用料は要らないし、チラシ印刷やチケットの販売、新聞等への広告、練習のためのホール使用、当日の人件費、などなどがすべて会館持ち。
いつもなら早くから役割分担して様々な準備に追われるところだけれど、そんな心配もなく、のんびりと「当日までに間に合えばいいか。」なんて気分が何となく漂っていて。
いや実際は運営上はほとんど問題ないんですが、そんな雰囲気が一番悪影響を及ぼしているのが恐らく、練習なんだと思います。
ホール主催だからこそ責任を持って・・・というのも当初から話し合って確認していたことなんだけど、「与えられる機会」を我がものとしてモチベーションを保つことの大変さを予測しきれていなかった。
自分たちでその機会を起こし、その成功を目指して気持ちの盛り上がりを共有していく、というこれまでのパターンじゃないってことが、何となくしっくりこないのだ。
余裕が与えられたことで音楽ともっと冷静に対峙できるはずが、その有り余ったエネルギーの使い方を誤ったのかもしれない。というよりその使い方を「知らなかった」というべきかもしれない。

こんなことを、恥をさらすようなことを、しかも直前になって言い出すなよ、ってメンバーの叱る声が聞こえてきそうです。もちろん、すでにチケットをご購入いただき、来場をご予定いただいている皆様には大変失礼なこととは十分に承知いたしております。
が、敢えて、今、こうして書くことで、これまでとの気持ちのズレを修正したい・・・と思ったのです。

何度も繰り返しの話になりますが、私たちは今まではずっと何かを「追い求めて」きたのです。自ら目標を定め課題を克服することで成長を感じ続けることができたのです。
しかしその後に生まれる満足感や達成感が果たして「何を」求めた結果だったのか?それが「純粋な」音楽に対するものとは、ほんの少し誤差があったのでは・・・、と、今回の演奏会に向けての取り組みの中で、痛切に感じることになったのです。

もちろん、決して手を抜いているわけでも歌うことが楽しくないわけでもない。
22年の歳月をかけて、我々の営みが「音楽」に向いていたのだ。と気付くことができたとしたら、その過程は何ら無駄ではなかったと言い切れると思うのです。
残されたわずかの練習が、そういった気持ちや時間の上にあることを噛み締め、ありきたりではありますが「全力」でぶつかる決意を持ちたいと思います。

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