春めいてきましたねえ・・・。 卒業生も送り出し、入試で新しい生徒を迎える準備をし始める頃。 そう、梅と花粉の季節。
また1年が終わったな、と一息つくこの年度替りが 1年のうちで 一番 大嫌い。 新しい一年に向かって、期待が膨らんでいかなくなったなんて、歳を感じてなんだか哀しい。
シェンヌも今年はたくさんのステージが待ってくれているけれど、なんだかイライラするばかりで練習も能率悪い。 「ちゃんと楽譜を読んできてください」 『いやー自分なりには頑張ってるんだけど・・・』 みたいな感じ。かみ合わないっていうか、次に進めないっていうか、実りないっていうか・・・。 「嫌々、歌うなら、もう来なくっていいよ・・・」って気持ちにもなりますが、だれもそんなつもりじゃないんだよなあ。 確かに「精一杯」で「一所懸命」なんだよね。 ・ ・・そう、自分なりに・・・。
余裕がなくなってきたんだなって。 実際、目の前のことを「こなす」だけで精一杯の状態。 昔のように夢を語りあうことがなくなったなあ、そう言えば。 「関西コンクールで金賞取れたら、ビールかけしようぜっ!」って、まあその程度のくだらん話だったけど、現実を嘆くことより、叶いもしない夢を語ることのほうが多かったよなあ。
やっぱり大切にしたいなって思うんです。 22年も続いてくれたんだもん。もっと真っ直ぐに伸びっていって欲しい。 「ずっと続けることが私たちの夢です」ってみんなが胸張って言えたらいいな。素敵だろうな。
先月、名古屋で聴いたMIWOの演奏会。本当に素晴らしかった。 岐阜県のアンコンの審査員でサラマンカホールにお邪魔したときのゲストでMIWOが歌ってくれたんですが、第一声を聴いて「こりゃ、聴きに行かなきゃね」と思いました。詳しい感想なんかは私には書けないけれど、声は昔にコンクールで聴いた頃とは別物でしたね。「進化」してるって感じです。しかしそれにも増して腰の据わった、その音楽の安定感は見事です。 一緒にしちゃいけないけど、アマチュアの活動がコンクールのような「ものさし」を持ち続けなくても見事に成長を続け、存在の意味をもつことって有り得るんだなあ。
私たちもMIWOのようにはなれないけれど、 「そして何故、続けるのか?」を落ち着いて考える時期に来ているんだと思います。 今ならまだまだ間に合うはず。少しだけ気持ちの軌道修正を加えましょう。 花粉症の鬱陶しさのような、この重く引きずる状態から抜け出すためにも、一人ひとりが自らに問い直して見ましょう。
でも楽譜は読んできてね・・・。
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