[53] 全日本合唱コンクール その3 2005/11/25 22:13:14 

で、新潟のコンクールに戻ります。
出番の関係で19日に聴けたのは大学では我らが地元「奈良女子大」だけ。一般Aでは最初のマルベリーと最後二つのフィオーリ、ESTでした。
大学の演奏はいつも事前の練習時間と重なりますので聴くことができませんが、今回は地元の大学がトリで出場することもあり、時間を繰り上げて聴くことができました。
結果から言うと銅賞だったようですが、指揮者はしなやかな指揮ぶりで自然な流れを作ることに成功していましたね。ソプラノの音程が上から圧迫される感じがあり少し不安定なところはありました。また全体的に支えが不十分なのかな?あと一歩の説得力が欲しかったかな。しかし全体的に清楚な感じで音色の統一感は抜群(私好みの声です。。)。これからの可能性を十分に感じることのできる演奏でした。

さて一般です。トップバッターのマルベリークワイヤーはシード団体。課題曲はやや速めの演奏であの曲のまとわりつくような重さを打ち消していたように思いました。自由曲の選曲のセンスはさすが!見習わなければ・・・。しかし1番目の団体の宿命、会場全体の落ち着きのなさが演奏者に多少なりとも影響を与えたような印象がありました。もっと安定した音を持っている団体だと思うので惜しい気がしました。

その後は拘束時間となり、ほとんどすべての演奏が聴けませんでした。これはとても残念なことです。その間に更衣を終えリハーサル室に向かいましたが、半円形のひな壇では並ぶ間隔のイメージを持てず、バランスよく並べることに時間を使いすぎました。結果、声を出す時間がわずかとなって、いざ通して歌ってみると地に足の着かない男声がブラームスでは半音近くも下がってしまいました。いつもならあせって繰り返しピッチの確認をするところですが、今回はグッと我慢をしました。本番では問題ないと信じたからです(汗!)

あれだけ練習したんだから。と思えるには相当な練習量を積んでいる必要があると思いますが、結局はどれだけメンバーを信じることができるか、ということに尽きると思います。
本番ではある程度納得の演奏ができました。ホールの響きの素晴らしさももちろん影響したと思います。豊かなホールトーンを感じながら歌うことの喜びは何者にも代えがたく、練習し尽くしたことを信じて、目の前にいる歌い手の力を最大限引き出す気持ちの余裕が生まれます。本当に心地よかった・・・。

演奏後は素早く着替えを済ませ、客席へと急ぎました。座った位置はステージサイド。
島根のフィオーリの演奏。指揮者は直前に替わったらしいのですが、いやー見事な指揮!
音楽を引き出そうとする意図が指揮ぶりから理解でき、奏者も一体となって非常に訴えかけの強い演奏となりました。ピアノとのバランスが悪いように思えましたが、あのホールは多分、ピアノ位置が最も響かないのね。どの団体もそう聞こえました。
そして最後はEST。ブラームスは子音がよく聞こえなかったですが相変わらずよく鳴る演奏でバスの響きはうらやましかったです。自由曲はシンポジウムでも聴いた鈴木作品。そのときの演奏よりははるかに充実した出来でした。新しい日本の作曲家による現代作品を世に問うという大きな課題を自らに課し、それを演奏家としての「責務」であるといわんばかりに果敢に取り組まれる姿勢には頭が下がります。私たちとは随分意識に差があるよなあ。

全国コンクールでは本当に響きの素晴らしいホールで歌えることが多く、そのことだけでも全国に行くことの魅力は語ることが出来ると思います。スタッフの方々のお気遣いがうれしく、ほんとに気持ちよく演奏のステージに臨むことができます。ベストコンディションで歌えることの喜びは、日常の活動では味わうことの出来ないものです。
来年は熊本。行けたらいいな・・・(ちょっぴり本音)

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